ROLAND KIRK 『THE INFLATED TEAR』 2006/11/30

ローランド・カーク代表作の一つで、リリカルで、流麗で、それでいて力強く逞しい、一曲たりとも無視できない名曲・名演の数々。「俺が死んだらこの曲をぜひ演奏してくれ」との言葉で有名な(1)、愛らしく、軽やかに跳ね回るような、愛息に捧げたという(2)、脅威のノン・ブレス奏法が炸裂する(3)、カークの詩情性が余すところ無く発揮された(4)、根源的な怒り・悲しみ・喜びを溢れさせた表題作(5)、3管で優雅に奏でるエリントンの(6)、アップテンポながら物憂げな、気品さえ感じさせる5拍子(7)、唯一トロンボーンを加えグループ全体でグルーヴする(8)、数々のライブでも大好評を博した、猛烈な勢いで吹きまくるソロが圧巻な(9)など、気高く激しく美しい作品集。溢れ出る表現欲求と限りなく深い精神性に、強く感銘を受けずにはいられません。