HANS GLAWISCHNIG 『PANORAMA』 2008/2/22

素晴らしい作品がリリースされました! ルイス・パードモ(p)やウェイン・エスコフェリー(ts)の作品などで活躍するベーシスト、Hans Glawischingのリーダー作で、まず目に付くのは参加メンバーの豪華さ。曲ごとに編成を替え、3人のドラマー、2人のピアニスト、1人のギタリスト、3人のサックス奏者が参加しています。個人的に最も感銘を受けたのは冒頭曲を始め3曲で熱演するミゲル・ゼノン(as)。この人のプレイの不思議な透徹感、伸びやかな音色、楽器を知り尽くしたかのような見事な抑揚などには惚れ惚れしてしまいます。2曲で同じくアルトを吹くディヴィッド・ビニーのプレイも荒々しく激しく実に熱い! ベン・モンダー(gt)の演出する異空間で強烈に吹きまくる(4)など凄いです。チック・コリア(p)、マーカス・ギルモア(ds)を擁するピアノ・トリオ曲2曲も期待に違わぬ出来。リーダー自身の演奏やジョナサン・ブレイク(ds)の快演も光ります。と、挙げればキリがないほど参加した全員の素晴らしいプレイで1曲1曲素晴らしい録音が生まれているのはもちろん、編成や曲順の妙などアルバム単位でのトータル・プロデュースとしても大成功を収めた、稀に見る大作です!