SIMON SPILETT 『SIENNA RED』 2008/3/22

前作『INTRODUCING...』での鮮烈な デビューで一気にその名を浸透させたように思える英国のテナーマン、SIMON SPILLETT。その勢いは増すばかりで、今作にも既に色々なところから絶賛コメントが寄せられています。おいしいフレーズを猛烈な勢いで吹きまくる衒いのない直進スタイル、端正かつ逞しい音色。リーダーの勢いを遺憾なく引き出し、一緒になって突っ走り、ときにはビシッと場を締める、経験豊富なバック陣もお見事! 痛快なスピードとスリルで大いに気分を高揚させると共に、小気味よい暖かさとリラックス感をも演出してしまう表現力、技術力には敬服です。敬愛するタビー・ヘイズによる多彩な趣向の曲群をアルバム10曲中で5曲も取り上げているほか、ベイシー楽団のノリノリなナンバー「PEACE PIPE」やロリンズの「OLEO」など選曲も実に味わい深く、よくハマってます。とにかく気持よくスカッとできる超オススメのハード・バップ作品です。